カエルの王子様
子どもの頃に読んだ童話に、
なんとも不思議な話があった。
「カエルの王子様」
金のまりを池に落としたお姫様は、カエルに、
「拾ってくれたらなんでも言うことをきく」
と約束をしたが、拾ってもらうと約束を忘れ、
お城に帰ってしまう。
翌日、城にあらわれたカエルの話を聞き、
王様は、約束を守るよう姫をたしなめる。
お姫様は、いやいやカエルと食事をするが、
「一緒にベッドに入りたい」と言われ、
我慢できず、カエルを壁に投げつけてしまう。
ところが、そのおかげでカエルの魔法がとけ、
美しい王子様があらわれ、
二人はめでたく結婚する、というお話。
なぜに? なぜにハッピーエンド?
子どもの頃、どうしても納得できなかった。
今でも、不思議なお話だと思うけれど、
なんだか少しわかる気もする。
人は、本当の気持ちに触れたときに、
なにか化学反応みたいなことが起こる、
ことがよくある。
道徳的でもなく、美しい建前でもない、
人間としての、本当の気持ち。
ちなみにお話の中では、このお姫様の他には、
王子様を助けられなかったと書いてあるそうだ。
グリム童話、深い!