本当にやりたいこと!

ここ数年、とても忙しい日々を過ごしていた。

4つの学校のスクールカウンセリングに加え、
大村や対馬での、講座や個人カウンセリング。
大学院に入学し実習や修論をこなし、
卒業したら国家試験。

毎週毎週、大村と対馬を行ったり来たり、
合間をぬって、千葉に、長崎に、東京に。
その間、二人の子どもの大学受験が続き、
朝の弁当作りから、夜遅くの塾の送り迎え。

それが今年は、ふうっと楽になった。
子ども達はそれぞれ家を出て、
学校の勤務数も少なくなった。

久しぶりに訪れたゆったりとした時間。
そうだ。少し自分を大事にして、
「本当にやりたいこと」をやろう。

懐かしい友達に会って、ランチしたり。
蕗をたくさん摘んで、じっくりと佃煮を作ってみたり。
梅干し作りや青梅のシロップ煮に挑戦したり。

ゆっくりと贅沢な時間を楽しんだ。

ところが、なんだか落ち着かない!
なにか忘れ物をしているような、へんな感覚。
??? これは何?

カウンセリングをしている時、
答えが訪れ、腑に落ちた。
これが私の「本当にやりたいこと」だったんだ!

カウンセリング、講座、心理の勉強、自分の成長。
朝から晩まで、暇があったら心理の本を開いている。
カウンセリングをしている時は全身全霊で、
他のことすべてを忘れている。
他になにも要らないほど、充実した時間。

カウンセラーとして、たくさん悩みもしながら、
歩いてきた道だけど、
気がついたら、何かに導かれるように、
「本当にやりたいこと」をやっていた。


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心の栄養・ストローク

今回の心理学講座は、
心の栄養「ストローク」について学びました。

ストロークとは、言葉、態度、表情などによる
相手への関わり方のことで、
プラス、マイナス、ノンストロークがあります。


ここで問題!

同じ日に生まれたネズミを3つのグループに分けます。

Aのグループには、えさを与えるとき、なでる、かわいがる、
優しい言葉をかけるなど、プラスのストロークを与えます。

Bのグループには、えさに触れると、ビリッといやな電気ショックが
くるというマイナスのストロークを与えます。

Cのグループには、ただ機械的にえさが出てくる、
つまりなんのストロークもないノンストロークの状態にします。

さて、一番成長が良かったのは? 
というと、やはりAなんだそうです。

では、一番成長が悪かったのは? BかCか?
これは、Cのネズミだと言われています。


つまり、私達生き物は関わりがないのが一番怖い。
もちろんプラスのストロークが欲しいけど、
それがもらえないときは、
マイナスでもいいから得ようとしてしまうそうです。

子ども達に、弟や妹が生まれる時、
シケることがあります。
赤ちゃん返りをしたり、下の子をいじめたり・・。

自分への関心が薄れそうな時、
怒られてでもいいから、ストロークを得ようとするのは、
本能レベルのことなのでしょうね。


子どもが、最近怒られるようなことばかりしてしまう
という時は、ちょっと心が栄養不足なのかも。

そんな時は、自分にも、子ども達にも、
たっぷりとプラスのストロークを、
与え、受け取ってみてください。

ほめる、抱きしめる、話を聞く、一緒に何かする、
自分も誰かに話を聞いてもらう・・・。

心に、プラスのストロークがたまってくると、
また笑顔が戻ってきますよ。


小さな「yes,no」を言う

私の尊敬するカウンセラーが語ってくれた話の中に、
「牛丼理論」というものがある。

たとえば、憧れの彼との初デート。
いいムードの中「何が食べたい?」と聞かれ、
「お肉かな・・。」と答えたとしよう。

お洒落なステーキのお店に連れて行ってくれると思いきや、
彼は、牛丼屋さんに連れて行った・・・。
ところがあなたは、牛丼だけは大の苦手!

「え? あ? えー!」と内心思いつつも、
今さら「ごめん、牛丼だけは苦手なんだ」と言えず、
雰囲気悪くするのもよくない、と笑顔で牛丼を食べるあなた。
その笑顔をみて、「そんなに牛丼が好きなんだ!」と思う彼。

かくして、牛丼屋さんのデートが繰り返されるうち、
「なんてデリカシーのない人なの!」と
あなたの怒りは爆発してしまう。

本当は苦手だったのは牛丼で、大好きな彼だったのに、
小さな「no!」が言えなかったばっかりに、
いつしか彼のことが嫌いになってしまう。

私はこの話を聞いたとき、感動しました!

「過剰適応」「対人不安」難しい言葉で学ぶけれど、
小さな「no!」が言えないだけ。

「え? う、うん」と言ってしまいそうな時、
小さな「no!」を言う練習をしよう。

私の中の「私」を大切に、
小さな「yes,no」を言う練習をしよう。

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