一緒にごはん

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春の夕暮れは、やけに寂しい。

昼間、あたたかな陽差しの中で、一面の菜の花が揺れる。
新たな旅立ち。希望や不安。楽しかった時間。別れ。

ないまぜになって張りつめた感情が、
春の夕暮れには、ふっとゆるむ。

そんなときは誰かを誘って、
一緒にごはんを食べよう。

なにげない会話をしながら、
一緒にごはんを食べよう。

今日も、あしたも、あさっても、
ごはんを食べながら、
私たちは生きていく。


今、ここに


昔、もっとずっとずっと若かった頃
今ここにいることが、とてもきつかった。

ここじゃないどこかに、なにかありそうで、
ここには、欲しいものは何も見つからなくて、
寂しくて、逃げ出したくて、いたたまれなかった。

子ども達と話していると、
そういう風に語る子と出会う。
今の自分が全部きらいで、
今ここにいること、すべてが嫌。

つらいね。

いつ頃からだろう。
傷ついたハートを癒やしていくうちに、
今ここにいることが、つらくなくなった。
求めていたものは、ここにあったことに気がついた。

ずっとずっと先でもいいから、       
いつか、あなたにも気がついて欲しい。

今、ここに、              
春が来ているよ。         fumikiri1.jpeg


セレモニーの意味


学校は、今、別れの季節です。
卒業生が巣立っていき、お世話になった先生方が転勤していかれます。
卒業式が終わり、今度は離任式。

だけどスクールカウンセラーは、何校もかけ持ちしているので、
その式に参加できないことが多いです。

儀式には、深い意味があります。
慌ただしい日常とはしっかり区切った時間と、空間の中で、
ちゃんと別れに向き合って、泣いて、次のステージに進む。

ちゃんと別れに向き合う時間がないと、
泣くタイミングが見つからず、
寂しいような、落ち着かないような、
モヤッとする気持ちを抱えたまま春を迎えます。

泣きたいな・・・。

素敵な人

ここ数日、素敵な人によく会います。

飛行機の中だったり、
空港だったり、
一緒にご飯を食べたり、
通りすがりに挨拶しただけだったり。

初めての人だったり、
古くからの友達だったり、
ちょっとだけ顔見知りだったり。

いろんなシチュエーションの中で、
なにがそんなに素敵なんだろうと考えてみると、
"目"なんだ、と気がつきました。

なんだかとても懐かしいような、
まるでずっと昔に友達だったような、
まっすぐに愛が伝わってくる"目"

素敵な人に会った後は、
心があったかくなって、一人でニマニマしています。

タレ目がちな私の目も、
いつかあんな目になるといいな!


卒業

今日は、勤務している中学校の卒業式。

立派に成長した姿を見送りながら、胸が熱くなった。

あどけない顔で入学してきて、
思春期、反抗期、落ち込んだり悩んだり、
そして頼もしく成長して巣立っていく。

そのまわりで、たくさんの大人が、
時に悩み、時に喜びを分かち合いながら、子ども達を包んでいる。

私たちの人生もまた、今を卒業し、
新たなステージに向かうことの繰り返し。
そのたびに不安になるが、
いつだって本当は、たくさんの人の想いに包まれている。

だんだんと慣れっこになってしまっていることに、
まっすぐな若いエネルギーが、揺さぶりをかける。

どれだけまわりの愛に感謝して、
どれだけ成長しているのかと。

3月。
寂しさの中に、次のステージへの覚悟を秘めて。
卒業。


手放す

こうなりますように、
と願うことは、良いことなのに。

こうであって欲しい、
と願うことは、良くないらしい。

執着を手放すって、なかなか難しい。

あきらめるでもなく、切り捨てるでもなく、
宇宙を信頼して、人生を信じて、
握りしめていた手を放す。

私の頭が考えるより、もっと、
大きな流れが、人生を導いてくれることを、
たぶん、どこかで知っているから。

握りしめていた、手を放す。

心は、深い。

今日は、表現療法研究会に参加しました。

描画、箱庭、コラージュなど、
心を表現しながら癒やしていく療法。
その基盤となるユング心理学の勉強会。

学べば学ぶほど、
心というものはどれだけ深いのだー!
と叫びたくなる。

集まる皆さんも、病院や学校など、
心理臨床の現場で仕事をされている方々で、
真摯な姿勢に身が引きしまる。

一人一人の「心」という深く大切なものに
触れていく仕事。

私も心理臨床に携わる者として、
日々研鑽を積んでいきたい、
と、思いを新たにしました。


出来の悪い生徒

カウンセリングでクライアントさんが訴えること。

「私の育て方が悪かった」
「自分に自信がない」
「人前で話せない」
「生きているのがつらい」
「不安がなくならない」
「前に進むのが怖い」

全部、私自身がカウンセリング受けてきたことです。
その他にも、いっぱいいっぱい、やらかしてきた。
私は、とても出来の悪い生徒です。

だから「うんうん、つらいね」と共感できます。
そして「大丈夫。なんとかなる」と言えます。

もしもあなたが今、つらい時期を過ごしていたら、
いつかそれが、人の痛みがわかるギフトになります。

もしもあなたが今、ふるえながらチャレンジしていたら、
いつか人に、勇気を与える人になれます。

だから、あきらめないで。

「出来の悪い生徒は、いい先生になる」ってことわざ、
どこかにあったような、なかったような・・・。


神社のお掃除

今年度、私、町内会の班長さんでした。
今朝は、最後のお仕事、神社のお掃除当番。

しかしゆうべから、しとしと雨。
これは、かなり無理なんじゃ?
明け方、何度も目が覚めるたび、
いつの間にか、それは確信に。

朝の7時にかかってきた電話は、しかし、
「たいした雨じゃなかけん、やりましょ!」
「えっ? あっ! そうなんですか?」

思えば、この神社には、いつも助けられました。
祈ったことは、ほとんど叶えてもらいました。
私だけじゃなく、この地区の人がよくそう言われます。
参拝される方も多く、皆に愛されている氏神様。

なのに、私ってば!
心はついつい、サボる方、休む方に向いてしまって!

皆でやったお掃除は、気持ちよかったです。

神様との、縦のつながり。
班の皆さんとの、横のつながり。
それが、実は日々を支えている。

神様、ごめんなさい。
こんな私ですが、これからもよろしくお願いします!

曇りの日

晴れた日が好きです。

雨の日が好きだと言う子もいるけど、
私はやはり晴れた日が好き。

曇りの日は、なんだかだるい。
曇りの日は、なんだか眠い。

明るく思えていた未来も、
だんだん信じられなくなってくる。
やっぱり自信がなくなってくる。

そんな自分でもいいや、と思いながら、
曇りの日は家にこもって、ゆっくり過ごそう。

大丈夫、大丈夫。
曇りの日でも、空の上からは
おひさまが、ちゃんとみていてくれるから。

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